カンボジアに拠点を置く特殊詐欺グループの闇バイト実態とその背景

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カンボジアに拠点を置く特殊詐欺グループの闇バイト実態とその背景

カンボジアに拠点を置く特殊詐欺グループの闇バイト実態とその背景

ここ数年、カンボジアを拠点にする特殊詐欺グループに雇われた闇バイトの犯人たちの逮捕が相次いでいます。

2023年4月には、カンボジア南部のリゾートホテルに監禁されていた日本人19人が現地警察に拘束され、日本へ移送されました。彼らは詐欺容疑で警視庁に逮捕されました。さらに2023年9月には、カンボジアの8階建てのアパートに監禁されていた日本人25人が現地当局に拘束され、日本へ移送され、詐欺容疑で埼玉県警に逮捕されました。容疑者たちは闇バイトで集められ、現地に渡り「かけ子」として電話詐欺の役割を果たしていたとされています。

なぜカンボジアが詐欺拠点として選ばれるのか?

ある情報番組では、犯罪ジャーナリストが「東南アジアのリゾート地は観光客に紛れやすく、空いた時間にリゾートを楽しめると勧誘しやすい」と解説していました。フィリピンのように連続強盗事件の指示役が何年も逃げ続けた事例もあり、東南アジアのリゾート地で暗躍する特殊詐欺グループが増加しているようです。

フィリピンに詳しい暴力団関係者は、「フィリピンでは金さえ払えば警察官が動き、地元の動きを知らせてくる」と語り、現地のビジネスマンも「フィリピンで何かをするには裏金が必要で、金を渡せば物事が思うように進む」と説明しています。

カンボジアの腐敗した司法制度

「カンボジアでは警察は制服を着たヤクザ、裁判官は法衣を着たたかり屋と思ったほうがいい」と語るのは、カンボジアでリーガルアドバイザーとして働く日本人のS氏です。彼は「カンボジアでは警察官も給料が安く、ワイロがないと動かない。逆に金を払えば何でもやってくれる。特殊詐欺グループにとっては居心地がいい環境です」と指摘しています。

さらに、カンボジアでは年に数回お寺に行って懺悔すれば罪が許されるという考えが根強く、詐欺被害に遭ったとしても「犯人が明確なら逮捕は簡単、警察に金を払えば解決する」とS氏は語ります。

カンボジアの司法制度と特殊詐欺グループの関係

カンボジアの司法制度も腐敗が深刻で、裁判をスムーズに進めるためには裁判官にワイロを渡す必要があるといいます。S氏は「カンボジアの三審制では、裁判のたびに裁判官にワイロを払わなければならない。カンボジアの弁護士は裁判官との折衝が主な仕事です」と解説します。

カンボジアのような環境で、金を持つ人から金を取ることが当然と考え、年に数回お寺で懺悔すれば罪が許されると信じている人々が少なくありません。このような背景が、特殊詐欺グループがカンボジアを拠点にする理由の一つであると考えられます。

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